地蔵供養塔1

境内の東南(社務所の脇石造鳥居の右脇)六ッ目地蔵小屋に他の供養塔と一緒に建てられている。総高102.5cm(塔身部80cm)石質は安山岩(小松石)である。形状は舟形光背で、地蔵菩薩の立像が浮彫りされている。像は、右手に錫杖を持ち、左手には赤子を抱いている。
刻銘は像の左右にあり、次の通りである。

「講中」とはおそらく地蔵講のことで、講の指導的立場にいた立善と智善という人物が願主となって、天明2年(1782)に建立したものと考えられる。地蔵信仰は、特に近世になって盛んとなるが、この供養塔にも表れているように、早死にした子供を守ってくれる菩薩として地蔵が信仰された。各地に残る念仏講の和讃のなかにも、子供の供養のために唱える地蔵和讃があるから、この供養塔の講中も案外念仏講のことかもしれない。また、子供の供養を主眼としていることから、願主の立善と智善も、女性である可能性がある。

20140317_地蔵供養塔1 20140317_地蔵供養塔1−2